www.soundgraphics.net
Q Shun さんと Soundgraphics の関係を聞かせてもらえますか?
A Hyde さんとは7、8年前ぐらいの時に会ったんだけど、Soundgraphics は元々僕と Hyde さんとイクマさんっていうフォトグラファー3人のチームだったんだ。その3人で外苑前のクラブ/カフェみたいなところで月に一回イベントをやってたの。それが Soundgraphics っていう名前で Hyde さんが DJ をやって、彼が関わりを持ってるアーティストがライブをして、その会場に作品を飾ってたんだ。僕のグラフィックだったり、僕とイクマさんで作った写真の作品を飾ってたイベントだったんだけど、それを要するにサウンドとグラフィックの融合だから、Soundgraphics って名前にしてたんだ。それでチーム名も Soundgraphics だったの。あのカフェは(66モダン)っていうカフェだったんだけど、今はもう違うお店になったかな?当時は2001、2年だったし、僕もたしか artless をやってたと思う。で、その Soundgraphics っていう名前を Hyde さんが気に入ってて、彼が会社を立ち上げるってなった時に「使っていい?」っていうことで使い始めたんだよね。それが最初の関わりかな?すごく個人的なつながりだね。でも今も Hyde さんが音楽をやって、僕がグラフィックをやるっていうスタンスは変わらないね。そこがバッティングしないからいいんだよね。 音楽があって、そこからジャケットとかのグラフィックを作るっていうのはあるけど、Hyde さんはグラフィックが先にあって、そこに音楽を付けようとすることも始めてて、面白かったね。ジャンルが別々で影響し合える、すごく良い関係だよ。
Q Hyde からは Shun さんのグラフィックは音楽でいうミクスチャーに近いと聞いたことがあるんですが?
A 最近はマッシュアップとか言うけど、デザインはすごくマッシュアップなんだよね。デザインは色んな要素を一つに閉じ込めるからね。言葉、写真、コンセプト、メッセージ、今まで自分が影響を受けたこと、色んな要素を混ぜ合わせるから、ミクスチャーだし、マッシュアップだね。音楽に例えて自分の作品を作ることもあるよ。
Q 今の artless はどんな編成なんですか?
A 今は僕とアシスタントのデザイナーが2名とディレクターっていうのかな?海外との仕事をする時のオーバー•シー•マネジメントの4人でやってるよ。後、もう一個別会社で東京デザインラボっていうのをやってて、 それは僕と岡部修三、全員のマネジメントをする金沢剛の3人だね。その二つの方向性でやっていて、東京デザインラボは「グラフィックをもっと大きな舞台に」っていうイメージ。建築とデザインの融合だね。僕は元々建築を勉強してて、 それがデザインの入り口だったんだ。そこからデザインに特化してったんだけど、元々、建築やインテリアには興味があったんだ。今は、建築にグラフィックを落とし込むっていうようなことをやってるね。 artless はグラフィックのデザイン。最近は不ランディングが多いかな。 僕がアート•ディレクションをあって、プロジェクト•ベースでアシスタントデザインを付けて。プロジェクトが大きくなれば、外部のパートナーに頼んでるよ。パートナーの概念的な集合体で今はそれをコレクティブって呼んでるんだけどね。そのメンバーと一緒に仕事してるね。

Q その外部スタッフについて聞かせてもらえますか?
A 外部スタッフっていうよりも、パートナーだね。やっぱり信頼出来る人っていうのは多くはないから、毎回毎回新しい人に頼むよりも、同じメンバーでしっかりパートナーシップを組むようにしてるよ。ウェブの場合は僕がアートディレクションとインターフェイスのデザインまでをすることが一番多いね。プロジェクトによってはアートディレクション、及び、クリエイティブ•デェレクションのみ。そこからデザイナーを立てて、LIVE FLASH を作る人、プログラマーを立てるようにしてるね。 artless の立ち位置としては、クリエイティブ•ディレクション、アート•ディレクション、デザインという感じだね。システム構築、 Flash •ディヴェロップメントはパートナーと仕事をして、プロジェクトに合わせたチームを作って行くの。artless をやっていて、やっぱり自分自身がプロジェクトに応じて、一番良いものを作りたいし、それに適した人と仕事がしたんだよね。仕事を振る時には「この仕事にはこの Flash を作る人」「このプロジェクトにはあのシステム•エンジニア」ってパッと思いつくこともあるし。後は毎回同じ人とやってると自分自身刺激が無くなるんだよね。だから、毎回をフレッシュにするためにも固定メンバーではやらないね。
Q そういう方達とはどういった場所で出会うんですか?
A 僕はエキシビジョンとかもやってるから、基本はそこでの出会いかな?個人的な作品作りをやっている場での出会いが多いかも。 artless は TOMATO みたいにしたいっていうのもあって、彼らはデザイン会社っていうよりもデザイン集団、アーティスト集団って感じでしょ。元々アイコンにしてたのが TOMATO でそこに憧れがあったんだよね。 artless もそういう集合体でいたかったんだ。会社形式を取るけど、もう少しクリエイティブな集団でいたいっていうかさ。そういう意識でいると不思議とそういう人が集まってくるんだよね。食事をしたり、イベント行ったりしてるとそういう出会いがあって、そこで出会った人がまた「Shun君に会わせたい人がいる。」って行って広がって行くていうかさ。後、ウェブっていうのも強いね。今は artless はブランドデザイン、ウェブデザイン、グラフィックデザイン、プリント関係、映像、モーショングラフィック、最近はエキシビジョン、とか建築、インテリアもやってるけど、やっぱり半分がウェブデザインだしね。ウェブがネットワークを拡げた部分は大きいと思うよ。97年に会社に入って、99年終わりに独立して、丁度その時にネットがブロードバンド化して、みんながメールを使い始めた時代だったじゃない?だから、ウェブサイトがデザイナーのポトフォリオになり始めて、僕の作ったウェブを色んな人に見てもらえたんだよね。当時はウェブサイトってそんなになかったし、クリエイティブなことやってる人もあんまりいなかったんだ。だから、今丁度10年が経って、当時のウェブ•デザイナーが一線にいるでしょ。10年経って、ウェブのポジションも変わったんだよね。ウェブ業界は狭いから、今ウェブで有名な人は基本的に友達だし、そういう意味で人が繋がってるっていうのもあるかな。
Q ウェブの制作にあたって、フォントのこだわりっていうものはありますか?
A 悩んでも、グラフィック•デザイナーだから本当にこだわらないことはないね。根本的に。ウェブの嫌いな部分もあったんだ。制約が多いとかね。初期に Flash にこだわったのもそういうところがあったかな。 Flash があったから、面白くなったんだよね。建築を勉強してたからこそ、立体的にウェブを見れたっていうか。その頃そういうのを思い出して、ウェブってありだな面白いなって思えるようになったんだよね。一時期はつまんなかったよ。グラフィック•デザイナーだけど、食う為に一応勉強しとこうかなぐらいの感じ。それが変わったのは Flash だったね。 Flash ってグラフィック•デザインと映像の間の子でしょ。それに紙ではないし、本ではない。ホーム•ページっていうけど、ページではなくて、建造物に近いんだよね。導線も意識するし。建築を勉強してたから、サイン•デザインにも興味があったんだよね。ウェブは新しいコミュニケーション•ツールでしょ。最近じゃ電話よりメールの方がコミュニケーション回数多いしさ。ウェブの場合はサインがすごく大事なんだよね。サインは見やすくなきゃいけないし、美しい文字じゃないと記憶に残らない、入ってこない。だからフォントにこだわらないことなんて無いんだよね。単純に好きっていうのもあるけどね。僕の場合は根本的に絵が描けなくて、美術学校もちょっと行ったけど、専門教育は受けてないんだ。写真は好きだから撮るけど、専門教育を受けてなければ、周りに写真を撮る人がいっぱいいて、絶対に勝てないんだよね。自分が勝てるところなんだろ?って考えたんだ。写真家、絵を書く人、イラストレーター、みんなが出来ないものって考えた時に、レイアウト、書体選び、紐解いて行くと文字に落ち着くんだよね。デザインの最初の構成物っていうか、すごく原始的な部分だよね。文字がデザインの根本だと思ってるんだよね。突き詰めて行くと、文字とか線、点がデザインの一番細かいパーツでしょ。良い文字を使うっていうセレクトによってデザイナーの色って出て来るしね。文字に特化してみよう、文字って面白いなって思ったんだよね。だから、フォントは大切にするね。元々、文字を大事にするデザイナーが好きだったんだ。
あの時代だから、TOMATOとかDAVID CARSONとか
今 MANCHESTER の DIRECTOR になった PETER SAVILLE とかね。PETER SAVILLE は奇麗な文字は使わないけど、自分でオリジナルで作ったりしてるしね。僕の根本にはバウハウスの文字への考え方とかシステムデザインがあるんだ。教育はちゃんと受けてないけど、学びたいことを学んだ時期に残ったことなんだよね。TOMATO, DAVID CARSON, PETER SAVILLEとかのデザイナーとアーティストの掛け合わせの人に憧れて、デザイナーになって、デザインついて勉強し始めたら勉強していったら、アカデミックな方向にいって、そこから自分が元々勉強してた建築やインテリアに戻って、バウハウスを勉強して。そうすると JOSEF MULLER BROOKMAN とか HELMT SHUMIDT って人に辿り着いたんだよね。SHUMIDT さんは会ったこともあるし、インタビューをしたこともあるんだけど、僕の心の師だね。彼のフォントとかグリッドに憧れて、彼のグリッドを全部書き出したこともあったよ。その時期のグリッド•システム•デザインに憧れたんだよね。フォントにこだわるって言っても、好きなフォントは決まってるから別に選ばないんだけどさ。書体には歴史があって、どういう経緯で作られた、どこで産まれた、フランス人が作った、イタリア人が作った、ドイツ人が作った、アメリカ人が作ったとか、それだけで国民性が出てるんだよね。やっぱりヨーロッパで出来たものはすごく繊細。ヨーロッパの書体も大昔のルネッサンスの時代に作られた美術館に掘られてた文字が基本になってて、それを真似して出来た書体があったりしてさ。そういうのを紐解いて行くのも面白くて、好きなんだよね。勉強すればするほど裏側に色んなことがあって、意外に表層的ではないし、だから文字を表層的に使っちゃうと勿体ないんだよね。文字が好きだからこそ大変なこともあるけどね。気に入らない書体とかが指定されてるとそれだけで嫌になっちゃったいりするし。自分のこだわりで使えない書体があったりするんだよね。一時、Helvetica=GROOVISIONSみたいなイメージがあって、誰でも同じ見え方になっちゃうし、「じゃあ、オレ Helvetica 使わない!」ってこともあったし。基本的にはHelveticaは使わないんだよね。SHUMIDT さんはバウハウス系の人だから Universe っていうフォントしか使わないんだよね。で JOSEF MULLER BROOKMAN は Akzidentz Groteskっていうフォントしか使わない。僕もAkzidentzしか使わないんのね。基本。その人に系統してるし。Akzidentz って、Helvetica が模倣した書体なのね。artless の書体も全部そうなんだけど。ちょっと違う(笑)すごいマニアックな話でちょっと角度が違うだけなんだけど、その文字だけで組んでみると全然雰囲気が違うんだよね。Akzidentz はもうちょっと無骨な感じっていうか。
Q そこまでフォントのことを説明されたらクライアントも納得しちゃいそうですね(笑)
A そういうのを面白いって思う人とどうでもいい、わかんないよって人といるからね~。仕事の話をすれば、基本的に僕はまず書体でプレゼンすることが多いかも。書体が決まれば大体の方向性が決まるんだよね。最近はV.I.の仕事が多いから、例えば企業の経営者の人と話した時に「御社の基本書体を決めましょう。」ってところからロゴも作って。基本書体がわかれば、どういう方向性だとかどういう経営方針だとか言う部分も見えて来るし、何を考えてるか、どういうサービスを提供するのかもわかるよね。だから、この書体はどういう意味を持ってるとかどういう見え方になるかとか説明するんだ。例えば Helvetica は無色透明って意味を持ってて、どんなものにでも合う水のような書体ですよっていう意味なんだよね。それに対して、Akzidentz はもうちょっと男っぽくて、古くて、クラシックだけどモダンなイメージがあるとか。Universe は Helvetica よりも洗練された雰囲気で、Universe っていうだけあって、宇宙的でより開発されたイメージなんだよね。どんなプリントをされた時にも美しく見えるように考慮されて作られてるし。この Sans-Serif、いわゆるゴシック体じゃなくて、Seref 体っていう、ヒゲの付いた Garamond とか Times とかがあるんだけど、そのSeref体を選んだ時点で会社のイメージがガラッと変わるんだよね。もっとクラシックで高級感のあるイメージになるし。この Sans-Serif と Serif どっちなんでしょうか?っていうのが決まるだけで、イメージが固まるんだよね。そういう方向決めでもフォントが大事なんだよね。さっきも言った通り、デザインする上で元素となる部分だし、その書体=元素で一つの物体が出来るから、文字を決めましょうっていうのは大事にしてるね。Studio Apartment のプレゼンの時も文字から決めたね。サイト見てもらうと文字しかないがわかると思うんだけど、文字だけでプレゼンして、文字だけのサイトにしたいって話したんだよね。音楽だから文字だけでよくて、逆にビジュアルが入ると音に余計な情報が入ると思って。Sans-Serif にするのか Serif にするのかっていうのも、ミュージシャンだからより感覚的にこっちが良いとか選んでもらえるし。不思議なんだけど、文字を見て音楽を聞くとイメージが変わるんだよね。ゴシック体で書かれた文字を見ながら聞くと強い音楽に聞こえるし、Serif で繊細な文字を見ながら音楽を聞くと繊細な部分が聞こえるんだよね。ミュージシャンの場合はそういう感覚がわかるから、文字を見て音楽を聞いてもらったりしてるよ。悪い言い方だけど、逆にそういう感覚の無い人達にはさっき言ってた、何人が作ったとかどういう風に作られたっていう説明をしたりね。文字が切り口って言うのが僕のスタイルかな。文字が好きだから一番話が進むし、好きだからこそこだわる理由だね。デザインの元素だから逆に文字が決まらないと何も決まらないし。
Q 本をかけそうですね
A いや、文字は紐解いて行くと切りがないし、僕より詳しい人なんていくらでもいるからね。Idea のアートディレクターの白井さんは僕以上の文字フェチで面白いんだよね。好きな書体はなんですか?って軽くメール送ったら、文字が好き過ぎて!どうとどういう理由とこういう理由でこの書体が好きとかすごい返答があって(笑)簡単に聞いちゃいけないな~って(笑)文字はフェチだから切りがないし、奥が深いよ。

Q Higher Frequency のリニューアルのポイントはどんなところですか?
A Higherのデザインは前回も僕であれは5、6年前だったかな? Soundgraphics が立ち上がった時期だったからね。もう懐かしいデザインだったから、とうとうリニューアルかみたいな感じだったね。僕のデザインは基本的には時代性を気にしないようにして、錆びないデザインにしようと思ってるから、長持ちはするとは思うんだけどね。ガラッと変えたのは書体だったね。Hyde さんにプレゼンした時にまず聞いたのが「このロゴ変えてもいいですか?」だったんだよね。前は Sans-Seref、ゴシック体だったんだけど、Higher が次のステージに行くっていうイメージもあったし、音楽も変わったからね。6年前はクラブ•ミュージックってアンダーグラウンド感があって、そこから産まれるものがあるんだろうって雰囲気があったけど、今回はもっと地上にある音楽にイメージを変えた方がいいと思ったんだよね。音楽がもっとアートに近づいたり、多ジャンルとの融合化を拡げて行ったほうがいいと思ったし。暗いイメージから明るいイメージへ変換したかったんだよね。美術館で流れるような音楽、ギャラリーと合うような音楽、そういう雰囲気を作り出したかったんだ。今回の Higher Frequency は Seref 体のヒゲのついたよりクラシックなものにして、今までのクラブ•ミュージックのアングラなイメージをもっとオシャレなイメージにしたかったんだよね。マニアックじゃなく、もっとアッパーで明るいイメージ、地下から一階のフロアに出て来た感じかな。背景も白くして、一気にガラっと変えたね。じゃないとリニューアルした感じもしないと思って。今まで通りリポート、取材形式でいいんだけど、ハコも変われば見え方やイメージも変わるからさ。クラブ•ミュージック以外の人にもHigherを知ってもらいたいっていうがあったし。今までの人がどう見るかわからないけど、こういうデザインにしたらアートとかインテリアとかも好きな人がクラブ•ミュージックに入って来るって思って作ったんだよね。丁度、Hyde さんも Higher でアートにも意識を向けて行きたいっていうのがあって、そういう部分でも合致したんだよね。
Q 逆に今回のデザインはアンダーグラウンドの人にも届いてると思うんですが、その観点は気にしましたか?
A ある程度みんなクラブ•ミュージックに飽きちゃった部分ってあると思うんだ。クラブの音楽はクラブでいいんだけど、最近弱くなってきたっていうか。最近はクラブよりもアートとかデザインに意識がシフトしてる人も多いし、ある程度こういうデザインにしてもユーザーが逃げるっていうのは無いと思ったんだよね。逆にこのデザインにしたら、もう一度 Higher をよく見てくれると思ったんだ。「今までの方が好きだったんだけど」って人もいるのかも知れないけど。
Q それが意外とあんまり聞かないんですよ
A やっぱりみんなもっと成熟し始めたんじゃないかな?後はクラブ=ゴシック体みたいなのを Higher が引っくり返したらいい、こういうクラブのデザインもあってもいいと思ったんだよね。だからある意味、確信犯的にやった部分はあったね。Higher がやったら、クラブの雰囲気も変わるんじゃないかって思ったんだ。 Studio Apartmentのジャケもやったんだけど、今までずっとゴシックだったのを Seref 体に変えたんだ。打ち込み=ゴシックみたいなのを引っくり返したかったんだよね。
Q ジャケット見ましたよ。水墨で盆栽とかがコラージュになってる。
A あれはコラージュで作って、メンバーも気に入ってくれたし、森田さんがこれやりたいって言ってくれたんだよね。コラージュだから、あれこそまさにミクスチャー、リミックス、打ち込みだよね。僕のアナログ的要素を一つの作品にする過程は Studio Aparment が録音して、打ち込んで、ミックスする作り方と同じなんだ。だから、ミクスチャーだし、デザイナーはコンポーザー的なところはあるね。僕にとっての撮影は彼らの収録で、コラージュはミュージシャンに撮っての収録でしょ。手法は近いし、同じって言ったら同じだよね。
Q iPhone だったり iPad だったり色んなデバイスが出て来ましたが、今後のデザインで出来そうなことはありますか?
A まぁ、 Flash が使えないっていうのはあるけど、当たり前なんだよねタッチパネルだから。今までの Flash が融通効かない、使えないのが当たり前なんだけど、ああいうインタラクティブ性のある物は長生きするだろうし。今は過度期だから、不便さはあるんだけど、昔もそうだったからさ。HTML っていうものがあって、 Flash が出たした時に「 Flash のプラグイン入ってないから、見れないんですけどこのサイト」みたいなのもあったし、あの時期見てるから、今まさにそれがまた来たんだなって。「iPad と iPhone だと Flash 動かないですよ~」っていうのもそれと一緒で1年もすれば新しいプラグインが発売されるのかソフトウェアが発売されるだろうってことで、プログラマーは大変だるけど、僕の考え方は変わらないね。ただ今、モニターとかもスペック•アップしたし、ブロードバンドになったし、今までよりもメディアが強くなってるし、進化してる。デザイナーにとってはやりがいがあるよね。僕の立ち位置的にはグラフィック•デザインとインタラクティブ•デザインがあってその両方を見て行きたいって思ってるから、より面白くなってるかな。iPad がデザインを新しくすると思うし。あのサイズになれば、汚い文字で組まれれば汚く見えるし、みんなネットに慣れてきてるから、奇麗な文字で組まれたものを見るようになろうだろうし。デザイナーが必要な時代になってくるんじゃないかな。キレイにレイアウトされてるものと、雑なサイトがわかってくるようにもなるだろうしね。元々印刷だって汚いレイアウトだった時代があったけど、奇麗じゃないと誰も見てくれない時代が来たわけだし、グラフィック•デザイナーにとっては良い時代になってくるんじゃないかな。より紙に近づいてきたかな。紙になるわけではないけど。でもグラフィック•レイアウト、写真のクオリティーは上がってるし、より映像的になるし、インタラクティブ性が無いとつまらない。そんな時代がなんか楽しみな感じなんだよね。僕の場合は何でも食べるし、何でもやりたい人だからさ。色んなグラフィック•デザインであり、ウェブデザインであり、映像であり。
Q やっぱりそういう研究やリサーチはされてるんですか?
A そんな真面目にはやんないけど、やってるね。何もわからなかったら出来ないからさ。プログラムは出来ないけど、こういうプログラムがあるとかこういう作り方があるとかね。やっぱりわからなくて、出来ないことを無茶言う人はいるからさ。そういうのも少しずつ勉強かな?勉強してる感じはないけど、携わってればわかってくることかな。
Q 最後に今後の展開やチャレンジしていきたいことってありますか?
A 二極化してて、より大きいグラフィックを作りたいっていうのがまず一つだね。体験としてのデザインっていうかさ。プリントのデザインとかデスクトップだったり、手に持ってるものが多いけど、インスタレーションとか、エキシビジョンとか、建築のデザインとか自分の体より大きいもののビジュアルデザインを今後の展開としてやっていきたいね。そういう意味で東京ラボを立ち上げたし。もう一つはメディアがiPadやPCで進化してるから、そういうものを使ったグラフィック•デザイン、映像だね。時代と共にデザインは進化してるからそっちのものも突き詰めていきたいんだよね。でもその両極をやっていけば繋がると思うんだよね。大きなデザインとパーソナルなデザイン、その両極を繋げたいんだ。その両極を一つにすることで、クリエイトなものが作れたり、より面白い体験ができるんじゃないかな?って思ってる。その繋ぐものが印刷だったりして、印刷も必ず必要になってくると思うんだよね。両極とか言って、3つになっちゃったけど(笑)デジタル、プリント、そして、体験だよね。よりデジタルでパーソナルなものと、アナログな印刷表現と大きな体験、映像、会場のデザインだとか。この3つが絶対に一つにならなきゃいけないと思うんだ。どれか一つだと絶対にもう物足りないでしょ。人間の欲ってどうなんだろうって感じだけどさ。その3つが一つになったのが一番良いクオリティーだと思うし、その3つを繋げる役目になりたい。そういうのをやれる人になりたいな。後は、アート•ディレクション、クリエイティブ•ディレクション。全部僕がデザインしなくても良くて、そのスタラテジーやコンセプトをデザインすればいいと思う。僕の一個のキー•グラフィックがあれば、全部を一つに繋げられると思うんだ。グラフィック•デザイナーってすごく良いポジションだと思うんだよね。アート•ディレクターだと、口で言って終わりでしょ?僕はグラフィック•デザイナーでもあるから、一つのビジュアルを用意すればそれが旗みたいなもので、それに向かって違うカテゴリーの人がみんなで作っていける。そんな仕事が出来たら良いな。必ず僕の根本にはビジュアルがあるしさ。旗っていうのは僕の個人的なビジュアル•ワークだったりこだわってる書体だったり。
川上俊 (artless)
”artless”は、東京を拠点に活動するデザインエージェンシー、川上俊を中心にデザイン、アート、ブランディング、インタラクティブ、ビデオ、インスタレーション、空間演出など多岐にわたるデザインを行う。また、もう一方の側面として、国内外でのエキシビションやプロジェクトの主催/参加及びキュレーション、各メディアへアートワークの出品など、精力的にアーティスト活動も行う。NY ADC:Young Gun6、NY ADC賞、One Show、London International Awards、グッドデザイン賞、東京インタラクティブアワード、日本タイポグラフィ年鑑等を受賞。